20181231

2018年の劇団あはひ(大塚)

大塚です。

ブログが一周してきたと思ったら、年の瀬です。

せっかくなので、2018年を振り返ろうと思います。

なんというか、忙しかった。

旗揚げが今年の6月って、ちょっと信じられません。うそをおっしゃい!という感じです。

でも、旗揚げ公演『どさくさ』は、今から振り返っても、本当に有難い環境というか、つくづく恵まれていたなあ、と思います。

というか、旗揚げに限らず、劇団あはひはすごく恵まれているのです。演劇について多少なりとも知っていけばいくほど実感します。

旗揚げ公演に出演してくれた役者たちは、主宰の松尾と代役の瀬沼を除いて、全員がオーディションを受けに来てくれた人たちです。

まず思うのは、どうして受けようと思ったの?ということです。失礼を承知で言えば、ちょっと、おかしいんじゃないか?というくらいです。

なにせ、どこの馬の骨度MAXです。Twitterのフォロワーもまだ15人とかだったし。

そんな状況で、一つの公演(しかも旗揚げ)を一緒に作っていけたというのは、なんというかすごくヘンテコなことみたいです。

でも、彼(女)らはそんな不安をつゆほども見せることなく参加してくれ、まさしくタイトル通りの状況ではあったけれど、なんとかビギナーズラックのようにして無事に公演を終えることができました。

そして、高本、東、古館の3人は、結果としてメンバーにまでなりました。いや、絶対、おかしいって。いつか冷静になって、後悔しても、知らないよ。

そして、舞台監督・宣伝美術をやってくれた冨田、舞台美術のVanessaも加わり、メンバーは8人になりました。これまでブログを書いてきた8人です。

そして新体制(と言っても代わり映えのしない)で臨んだ番外公演が『短編_傘』でした。

これは、よかったという感想と、訳がわからなかったという感想を、ちょうど半々くらい頂き、すごく有難かったなと思います。

2019年は、劇団にとって、きっと飛躍の年になると思います。

まずは3月に第二回本公演を予定していますので、もしよかったら見に来ていただけると幸いです。

最後になりますが、2018年の劇団あはひに関わってくださった皆様、観劇くださったお客様方、本当にありがとうございました。

それでは、来年も劇団あはひを、どうぞよろしくお願いします。

りなお①

最近寒いですね(古館)

当番制のブログもついに1周目最後の1人となりました。はじめまして、劇団あはひの古館です。
“あはひの東です”という前記事の題を見てふと思ったのですが、所属の宣言って実はなかなか難しいですね。というのもわたしは他にもいくつかの”〇〇の”を持っている(つもりな)ので。ただ、ここで”劇団あはひの”と言わせてもらえることをわたしはとても嬉しく思います。またそれと同時に、元はといえば唯一の慶應人として単身参加した見ず知らずのわたしをみんなよくもまぁここまで受け入れてくれたな…とも。本当に有難い出会いでした。

さて、自己紹介もそこそこに、例の東くんからキラーパスを受けたため3日間に渡って行われた読書会の詳細をしっかりと伝えなければと思います。本当は最近寒いですね、みたいな毒にも薬にもならない話をしようと思っていたのに。書きだすと長々と書いてしまう人間なので、飽きられない作文をがんばりたいと思います。

元はといえばこの度の”読書会”が指す催しは、『遊園地再生事業団』や『オフィスマウンテン』『木ノ下歌舞伎』などに出演歴を持つ宮崎晋太朗さんの発案によって行われる運びとなりました。わたしたちの目線に立っていろいろな道を示してくださる優しい宮崎さん。読書会最終日にはなんとピザパーティーも企画してくださいました。本当に優しい。

とまぁそれは置いておいてこの読書会、当初の企画としては上妻世海『制作へ』をみんなで読み砕こうというものでした。これがまた難しい本。できれば各々読んできてと言われていたものの、実を言うと途中で断念していました。とはいえ他の劇団員からも最初で挫折した、読んだものの理解はしていないという話を聞き、わたしはこっそり安心したのを覚えています。

ただ実際に会が始まると、冒頭部を輪読したりその内容について話し合ったりこの本を軸に始まりこそしたものの、そこから各々得られたものや生まれた問いなど、様々な方向への深まりに身を委ねて進んでいく形となりました。宮崎さん自身も捉えきれていないと仰っていたこの本。みんなで読む、という形である意義がそこに表れた気がします。

中でも結果的に3日間の主軸となったのが、本文中で心に刺さった箇所をそれぞれ葉書に書き出すという試みでした。最初は言われるがまま手探りで作業を進めていたわたしたちでしたが、気づくとそこにはしっかりとそれぞれの色が出ていました。さらにその葉書に抜き出された部分は各々に関しての課題であると言われ、それを問いとしてそれに準ずる実験を考えてくることが課されました。実験なんて言葉、高校の化学以来触れていない。わたしは困りました。しかしさすがの宮崎さん、そこでもまた先例を示してくださったのですが、それがまたわたしたちにとって大変な勉強の場となる実験だったのです。

宮崎さんの”『制作へ』における〈と〉の空間とは?また、「作品」とはどこからを指すのか”という問いに対して、その実験の足場としてまず取り上げられたのが濱口竜介の『ハッピーアワー』でした。そう、今話題の『寝ても覚めても』の監督、濱口竜介です。
彼の『ハッピーアワー』を筆頭とした演技論(この言葉が合っているのかわからないけれど)には特有のものがあり、それがわたしたちの取っ掛かりとなりました。「紋切り型の感情表現」を避けるためにあえて電話帳を読むように台詞を読む、本読みの際に勝手なニュアンスが生じないよう「聞く」ことをしないなど、それは演劇においてともすれば逆のことを促されうるような方法でした。しかし実践を通してその方法と向き合っていくうちに、わたしたちはテキストに対する演者の在り方について疑問を抱くようになっていったのです。

というのも、実験として全員が感情を排することを念頭に置いて行われた本読み。母国語が日本語ではない劇団員の言葉の方が心地良く感じたり、感情が高ぶる役は逆にやりにくかったり、そういったことに直面し、そこで議論にあがったのは観客の介入する余地の重要さでした。読み手を変えて感想を交換してはまた読み手を変え、それぞれが同じ疑問を抱えながらそういったトライアンドエラーを繰り返すことで、”演者は演者のままテキストでもある”という濱口の言葉の意味にわたしたちは少しだけ近づけたような気がしました。

そして最終日にはそれらの経験を踏まえ、いよいよ劇団員自身の問いと実験を実行に移すこととなりました。そこで行われたのは大まかに2つ、”捨てられない”ということ対する同じ絵を見てそれぞれの感想を書きだすというものと、”他人を通して自分を知る”ということに対する雑談をテキスト化してそれを別の人間が読んでみるというものでした。前者に関してはその問いに対する実験としてはそれでは不十分ではないかという意見により視点を変えた追加実験が考えられたり、後者に関してはやればやるほどまた新たな問いが生まれ興味が尽きなかったり、様々な意見を持った個人が集まるからこその方向に議論は発展する一方でした。

また、個人的に後者の実験の提唱者であったわたしはテキスト化した雑談の提供元となったものの、なぜか”きゅうりが世界で1番好きな食べ物だ”というトークテーマで会話をさせられ(それ自体は事実)、しかもそのテキストを元に別の劇団員が演技したりするのだから恥ずかしいような嬉しいようななんとも言えない気持ちになりました。しかしそれにしてもそのテキストに付けられた「キャビアよりきゅうり」という題名はあまりにダサい。
また、次回の予定をその場で決めたのですがその予定日がなんと12/24、クリスマスイブ。まぁだから何、とは言いませんが。その場にいた全員が空いていたのだから仕方のないことです。

そして、3日間の読書会も終わり、最後にはみんなお待ちかねピザパーティーが行われました。人数に対して多すぎるピザ、失われゆく終電。結果わたしたちは夜通しピザを片手に、笑ってはいけない神経衰弱や大富豪をする羽目になりました(もちろんすごくいい意味で)。極限の状況下に置かれるとわけのわからないことがむしろ面白くなってしまう。笑ってはいけないシリーズやドキュメンタルなどを見ている人にとって、1度はしてみたい体験ではないでしょうか。わたしは翌朝仮眠のつもりが起きられず授業を切ってしまうところまで含め、とても有意義な読書会だったと思っています。

さて、期末課題かと思うほど長くなってしまった今回のブログ、演劇に1mmも興味のない人にはさぞ退屈なものだったかもしれません。ただここに訪れてくれている時点で1mmは興味を持ってもらえてるのでは、そんな期待も込めて(これでもほんの一部に過ぎないけれど)こんなに長々と読書会レポートを綴ってしまいました。そうだな、次回はもう少し明るくポップに好きな寿司ネタの話でもしようと思います。最後までお付き合いいただいた方、本当にありがとうございました。最後は意外とあっさりしたものですが、それでは2周目、大塚健太郎に戻ります。

shy

あはひの東です(東)

こんにちは、劇団あはひの、東です。

 

 

ふざけた顔ですみません。

 

つい最近始まったばかりのこのブログですが、劇団員が多くないのであっという間に僕の番が回ってきました。

今、バイト先のソフトクリーム屋でパソコンを広げてこのブログを書いています。冬のソフトクリーム屋は程良く退屈です。

劇団あはひでは、この前の土曜日から月曜日にかけての三日間、読書会がありました。

残念ながら都合が合わず、僕は最終日しか参加出来なかったのですが、発見の多い、とても充実した会になったと思います。

その様子をお伝えしても良いのですが、せっかくなら三日間すべてに参加した他の劇団員に、また改めて詳しく書いてもらおうと思います。

なので、自分は久しぶりに、旗揚げ公演の時の事を思い出しながら少し書きたいと思います。

 

 

早いもので、旗揚げ公演「どさくさ」からすでに半年が過ぎようとしています。

元はと言えば、中学からの友人である共同主宰の大塚君と映画を観に行った帰りに、劇団を立ち上げるんだけど、旗揚げ公演に出てみないかと誘ってもらったのがきっかけでした。

元々演劇には少し興味があったものの、演技をした経験など高校の文化祭くらいでしか無かった僕には、全く未知の世界でした。

アップのゲームから発声練習など、あらゆることが新鮮に感じられたのを覚えています。

もちろん演技は素人同然だったので、出来ない事だらけだったわけですが、主宰の二人が本当に根気よく指導してくれました。

 

劇団としても、本番までどたばたの連続でした。稽古がなかなか予定通りに進まなかったり、本番まで一週間を切ってから急遽キャストが交代したり…

立ち上げられたばかりという事もあり、色々な事が手探りの状態で、みんなで悩んで、相談を重ねていました。

公演までの2か月間は一瞬で過ぎていった気がします。

 

そんなこんなで大変な事もたくさんあったわけですが、それでもこうして振り返ってみると、やっぱり自分にとって、とても得難い経験になったと思います。

ゼロから一つの作品を作り上げるという事、人前で演技することの難しさや楽しさ、本当に色々な事を知ることが出来ました。

ご来場頂いた皆様に改めてお礼を申し上げます。

観てくれる人がいて初めて、演劇は成立するのだというのは、自分が学んだことの一つです。

 

 

三月には第二回本公演があります。

どんな作品になるのか楽しみです。詳細が決まり次第、また報告させていただきたいと思います。

 

それではまた。

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ブログは当番制(冨田)

どうも、制作・宣伝美術の冨田です。
あはひでは制作と宣伝美術をやっています。

このブログは基本、当番制で、今回は僕に順番が回ってきたわけですが、現在、稽古も公演もなく、先週にVanessaが書いていた読書会も終わっていないため、あはひとして特にご報告することはありません。
そういうわけで、今回は他愛もないことを書こうと思います。

今日、伯母に連れられ、初めて明治神宮に行きました。上京前は、東京にはビルばかりなんだと思っていましたが、そんなことはぜんぜんないんですよね。むしろ緑の茂った大きな公園がたくさんある。早稲田大学もの近くにも戸山公園や甘泉園、細川庭園がありますし。
原宿駅を降りて少し歩くと明治神宮の入り口があるんですが、向かって右手には大きな鳥居、左手には休憩所と出店がひとつ。焼き栗売ってた。
鳥居をくぐると、広い遊歩道、その脇には木々が生い茂っており、見上げると赤い葉が群れているのが見えたりします。台風で倒れたような木があり、幹にはチェーンソーで切られたような跡。池の水は淀み、枯葉に覆われている。整地された道の端に並ぶ低い柵の向こうには、高さがそれぞれの草木があり、時折土の濡れた濃い茶色が見える。菖蒲田の菖蒲は咲いておらず、かさついた細長い葉が伸びているだけでした。
伯母の目的は清正井という井戸で、そこに着くと、人がたくさん並んでいたので、人気なんだなあと思いました。警備員が見学する人を2人ずつ交代させていくのが、なんだか握手会みたいだった。彼が「ピーコ、おいで」と呼ぶとジージー鳴きながら近くの枝に留まっていたヤマガラが彼の指に乗ったりするので、みんな井戸よりもそちらに気を取られていました。清正井の水はすごく澄んでいて底に沈んでいる石がよく見えた。パワースポットだそうですが、実際にパワーをもらったかどうかは永遠にわからないですよね。
正直、明治神宮とかパワースポットにはぜんぜん興味がありません。たぶん、伯母が行きたいと言わなかったら、一生行くことはなかったかもしれない。でも、行ってよかったと思っています。
見られるための庭。ゾーニングされ、適切な長さに整えられ、しかし雨水で育ったり、枯れていったりする植物たち。整えられた道を歩きながら、演劇のことを思い出して、この庭園の植物らが起こす叛乱のことを考えていた。
僕はたぶんこの話を今週末の読書会でもすると思います。読む本は上妻世海『制作へ』です。

実を言うと、アイキャッチ画像は明治神宮で撮ったものではないし、『制作へ』はまだ読み終えてません。
今から読んでこようと思います。それでは。

logomark

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